整形外科

2024年1月より近畿大学整形外科主任教授 後藤公志先生の外来診療を開始しました
~毎週水曜日 股関節・下肢関節外来~
 

goto.jpgごあいさつ
私はこれまで京都大学医学部付属病院とその関連施設で20年以上にわたり、人工股関節置換術に関連する研究と、股関節疾患に対する手術治療を行い、2023年4月1日付で近畿大学整形外科主任教授に就任し、以後も近畿大学病院と関連施設で毎週数多くの股関節手術を行っています。これまでに2500例以上のあらゆる高度変形を含む股関節変形に対する人工股関節置換術の執刀に加え、低侵襲の骨盤骨切り術や、大腿骨頭壊死症に対する成長因子、間葉系幹細胞を併用した骨移植術、さまざまな股関節疾患に対する股関節鏡手術の執刀を数多く行ってきました。人工股関節置換術はあらゆる外科手術の中で、最も患者満足度の高い手術の一つであり、股関節痛に悩む患者さんにとって救世主のような手術となっています。但し、患者さんに本当に満足して頂く為には、痛みなくきれいに歩けるようになることが重要であり、その為に人工股関節置換術では正確な脚長補正を行い、手術侵襲を最小化させるようにしています。また、若くして股関節痛に苦しむ患者さんは少なくありません。痛みの原因を的確に診断し、将来的な見通しと適切な治療方法を提示して患者さんに寄り添う治療を行っていく方針です。当院は充実したリハビリ施設と多数のリハビリ専門スタッフを有し、外来通院でのリハビリ治療に加えて、術後安心して自宅で生活出来るまで回復期リハビリ病棟での入院リハビリが可能です。また、合併症のある方や高度医療の必要な方に対して近畿大学病院と密に連携し、あらゆる整形外科疾患に対応できる体制を整えています。股関節痛に苦しむ患者さんはもちろん、下肢の運動障害でお困りの患者さんの来院をお待ちしております。

略歴
1995年 京都大学医学部卒業
2006年 京都大学大学院医学研究科博士課程修了
2008年 京都大学整形外科助教
2011年 市立長浜病院整形外科部長
2014年 京都大学整形外科助教
2015年 京都大学大学院医学研究科運動器機能再建学講座特定講師
2020年 京都大学整形外科准教授
2023年 近畿大学整形外科主任教授
2024年1月~さくら会病院にて毎週水曜日に整形外科外来(専門:股関節)を担当

主な対象疾患と治療法

関節疾患

変形性股関節症
変形性股関節症とは、文字通り股関節が変形していく疾患です。日本人には股関節の受け皿部分である寛骨臼が浅い(寛骨臼形成不全と呼ばれます)方が多く、日本人の変形性股関節症の8割程度は寛骨臼形成不全が原因と考えられています。多くの患者さんは、40~50歳代から股関節の痛みを自覚するようになり、変形が進行すると股関節の可動域が狭くなって痛みが増し、歩行時にびっこを引くようになります。痛みが強くて日常生活や仕事に支障が出る場合には、60歳以上の患者さんでは人工股関節置換術を受けることによって、痛みのない元通りの生活に復帰することが可能です。若年の患者さんでは、股関節の変形の進行抑制と症状の軽減を図る為に、骨温存手術(骨切り術や関節鏡手術)が適応されます。

最新の人工股関節置換術(THA)
最新の人工股関節は術後20年以上機能することが当たり前の時代になっています。我々が京都大学で行った解析でもTHA術後20年で97%の症例でインプラントが正常に機能していたと報告しています。その為、日常生活における歩数の制限はなくなり、THA後にフルタイムで歩き回る仕事を行うことが出来ます。THA後の重労働も必要に応じて許可します。インプラントの性能が向上し、許容できる股関節の可動域が拡大したことで、あぐらや正座は勿論のこと、しゃがみ込み動作も可能です。

両側THA術後10年

最新の骨温存手術
寛骨臼形成不全に対して我々が行っている寛骨臼回転骨切り術(CPO)は、臀筋を切らずに前方から行う低侵襲な術式で、パンツに隠れる10cmの皮膚切開で行います。翌日から車いす移乗が可能で8週で杖無し歩行が可能です。これまで100例以上に施行しており、安全に手術を行うことが可能です。当院ではリハビリ施設が充実しており、近畿大学病院との連携で安心して歩行可能となるまで入院治療が可能です。
 

術前3D計画

38歳女性、両側寛骨臼形成不全

両側寛骨臼回転骨切り術後10年

股関節専門外来
毎週水曜日午前に行っています。ご自分の股関節の状態に不安のある方や、日常生活をどのように送れば良いのかお悩みの方は是非受診してご相談下さい。

文責:後藤公志(近畿大学整形外科主任教授)

脊椎疾患

腰部脊柱管狭窄症(腰椎変性すべり症・腰椎椎間板ヘルニア含む)
脊椎疾患で多いのが「腰部脊柱管狭窄症」です。これは、背骨の腰の部分(腰椎)で神経の通り道の脊柱管が、加齢変化や腰椎が前後にずれたり(変性すべり症)、椎間板が突出したり(腰椎椎間板ヘルニア)して狭くなることで生じる疾患です。

脊椎疾患の主な症状

  • 坐骨神経痛(下肢のしびれ・痛み)
  • 痛みが強く長距離の歩行困難(間欠跛行)
  • 下肢の麻痺
  • 麻痺進行による残尿感・便秘 

治療法としては、痛みを緩和する鎮痛剤や筋肉弛緩剤を処方したり、リハビリテーションなどを行います。痛みが取れない場合は、背骨に直接薬を注射したり、炎症を取り除くためにステロイド剤を使用します。上記のような保存的治療で症状が改善されなかったり、下肢に麻痺がある場合は、手術を検討します。
後方の骨や靭帯を切除して脊柱管を広げ神経の通り道を確保する術式(椎弓切除術・開窓術)が代表的ですが、腰椎のずれを伴う場合(腰椎すべり症)には金属を使用して固定術を行うことがあります。

骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折(椎体骨折)
骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。骨がスカスカになると、わずかな衝撃でも骨折を起こしやすくなります。骨粗しょう症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、要介護状態になる人は少なくありません。
骨粗しょう症になると、骨がもろくなるために、背骨が押しつぶれるように変形してしまう骨折「脊椎圧迫骨折(椎体骨折)」を引き起こす場合があります。また、尻もちはもちろん、くしゃみをしたり、不用意に重いものを持ち上げたりといった、ちょっとしたきっかけで椎体がつぶれることがあります。
初期治療としては、安静、内服薬、コルセット、リハビリテーションなどの保存的治療が行われます。
保存的治療で緩和されない場合は、手術によって骨を移植したり、金属の棒やねじで骨を固定する外科的治療を検討することもあります。当院では、十分な保存的治療を行っても背中の痛みが改善されない方に対して、骨セメントによる経皮的後弯強制術(バルーンカイフォプラスティー:BKP)という新しい治療法を実施しています。

骨セメントによる経皮的後弯強制術(バルーンカイフォプラスティー:BKP)

さくら会病院では脊椎圧迫骨折(椎体骨折)治療時にコルセットやリハビリなどの保存的治療を十分に行なっても、腰や背中の痛みが改善されない方に対し、厚生労働省承認のBKPという新治療法を実施しています。

手術の方法
全身麻酔でうつぶせに寝た状態でバルーン(風船)状の手術器具や医療用充填剤(骨セメント)を用い、レントゲンで骨の状態を確認しながら手術します。
手術痕は小さく長期入院も不要で、痛みの早期軽減が期待できます。

スタッフ紹介

<整形外科 外来診療医担当予定表>

 午前診察

1診

 

亀井

後藤

股関節・

下肢関節外来

 

太田

西村

2診

 

 

吉村

 

 

石澤/森竹
(交代制)

★木曜日 14時~16時 脊椎専門外来 宮本(完全予約制)

当院の医療設備

マルチスライスCT

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MRIとほぼ同等の性能で高速撮影が可能です。頭蓋内出血、頭部外傷、骨折の診断に優れています。

1.5T超伝導MRI

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X線を使わず磁力で撮影します。脳の表面や断面を詳細に画像化し小さな脳梗塞や脳腫瘍などの診断に利用されます。
またMRAでは脳血管をより鮮明な画像を映すことができ、脳動脈瘤や脳血管の狭窄などの診断に有用です。