社会医療法人さくら会 さくら会病院

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骨・運動器疾患治療

脊椎や関節の慢性疾患に対する手術を中心に

当院では脊椎疾患、関節疾患に対して、薬による保存的治療だけでなく、患者さまの病態や要望に応じて手術やリハビリテーションを行っています。骨折などの外傷治療にとどまらず、高齢に伴い治療が必要とされる慢性疾患に幅広く対応しております。ここでは当院の整形外科の紹介と、当院が行っている主な手術についてご紹介します。

脊椎手術・脊椎内視鏡手術

脊椎手術

脊椎手術は、手術以外の保存的治療では四肢のしびれや痛み、麻痺などの症状に改善が見られない場合に適応となります。
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの頸椎・胸椎・腰椎疾患に対して、脊柱管の拡大やヘルニアの摘出を行い、神経を圧迫している原因を取り除き症状の改善を狙う手術です。また、すべり症など脊椎に不安定性のある場合は、金属や人工骨などで不安定な脊椎を固定する手技もあります。症状にもよりますが、だいたい術後2日間程度ベッドで安静、手術翌々日には離床、術後2〜3週間程度で退院となります。

圧迫されて狭くなっている脊柱管

圧迫されて狭くなっている脊柱管・術前 圧迫されて狭くなっている脊柱管・術後
脊椎手術 術前 脊椎手術 術後

脊椎内視鏡手術

当院では、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、神経が圧迫されて症状が出る疾患に対して、内視鏡を用いた脊椎手術も行っております。これは従来の手術とは異なり、腰椎周囲の筋肉に約16mmの管を入れて、筋肉をはがすことなく神経を確認してヘルニアを摘出する手術です。切開範囲もわずかで済むため、術中の出血が少なく術後の疼痛も軽微です。術後の安静期間も従来と比べて大幅に短くなり、1箇所の手術なら術後1週間で退院も見込まれ、早期に社会復帰ができる点が特徴です。適応となる疾患や症状は限定されますので、まず主治医にご相談ください。

脊椎内視鏡手術 脊椎内視鏡手術
従来の手術 内視鏡手術(MED)

人工関節置換術(膝・股関節)

この手術も脊椎手術と同様に、薬物療法やリハビリテーションなどで痛みの改善が見られない場合に適応となります。極度に痛んだ関節の一部を取り除いて、人工の関節に置き換える手術です。これは他の治療法と比べて、身体にかかる負担は少なくありませんが、痛みを取る効果が格段に大きい点が特徴です。下肢の人工関節の耐久性は約20年程度と言われており、消耗し傷んだ場合には人工関節の入れ替えを行います。人工関節には様々な種類がありますが、患者さまの骨の状態などに合わせて種類や大きさを選びます。

変形性膝関節変形性膝関節症に対する全人工膝関節置換術(TKA)

変形性膝関節症・術前 変形性膝関節症・全人工膝関節置換術後(TKA)
術前 術後
変形性股関節症に対する人工股関節置換術(THA)・術前 変形性股関節症に対する人工股関節置換術(THA)・術後
術前 術後

 

変形性股関節症に対する人工股関節置換術(THA)

変形性股関節症・術前 変形性股関節症・人工股関節置換術後(THA)
術前 術後

経皮的後弯矯正術(脊椎圧迫骨折治療)

当院では脊椎圧迫骨折治療時にコルセットやリハビリなどの保存的治療を十分に行っても、腰や背中の痛みが改善されない方に対し、厚生労働省承認の経皮的後弯矯正術(バルーンカイフォプラスティー:BKP)という新しい治療法を行っています。脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体を骨折前の形に近づけ椎体を安定させ、痛みをやわらげる療法です。
切開範囲も1cm程度を2か所のみと小さく、手術時間も1椎体あたり1時間以内で出血も少ないのが特徴です。身体にかかる負担も軽く低侵襲な手術方法です。

全身麻酔でうつぶせに寝た状態でバルーン(風船)状の手術器具や医療用充填剤(骨セメント)を用い、レントゲンで骨の状態を確認しながら手術します。手術痕は小さく長期入院も不要で、痛みの早期軽減が期待できます。

経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療) 経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療)
術中イメージ 術後の創部

手術の方法

経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療) 経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療) 経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療) 経皮的後湾矯正術(脊椎圧迫骨折治療)

背中から針を刺入し、骨折した椎体への細い経路を作ります。
そこへ小さな風船のついた器具を入れます。

椎体の中に入れた風船を徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げてできるだけ骨折前の形に戻します。 風船を抜くと、椎体内に空間ができます。その空間を満たすように、骨セメントを充填します。 手術は1時間程度で終わり、骨セメントは手術中に固まります。

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